【Drum & Bass】世界を揺るがした ドラムンベース の起源と歴史【徹底解説】

※海外メディアやインタビュー記事を参考に解説しています。

ドラムンベースとは

Drum & Bass(ドラムアンドベース)とは、1990年代初頭にJungle(ジャングル)から派生した音楽ジャンルです。BPM160〜190周辺の高速ブレイクビーツのことを指します。シンコペートされたドラムパターンとヘビーなベースラインが名前の由来になっています。

1990年前後にイギリスで誕生し、イギリスを中心に1998〜1999年ごろまで大きなムーブメントとなり、アンダーグラウンドだけでなく商業的にも成功したジャンルです。

日本では「ムンベ」「ドラムン」「ドラべ」などと呼ばれます。表記は「Drum & Bass」「Drum n Bass」「DnB」「D&B」と様々です。

ジャングルとドラムンベースの違い

ドラムンベースの親であるジャンルのJungle(ジャングル)は、1980年後期にイギリスで流行したレイブシーン<セカンド・サマー・オブ・ラブ>と、レゲエサウンドシステムカルチャーから発展した音楽ジャンルです。

DJ Hype らがブレイクビーツを分解して再構築させたものを倍速で再生し、そこにジャマイカのダンスホールサウンドを組み合わせて誕生したと言われています。

ジャングルとドラムンベースの違いが分からない方は実際に聴き比べてみるのが一番です。以下のプレイリストから両者の違いを聴き比べてみてください。

ジャングル

https://open.spotify.com/playlist/4OFBWJMTnMMUPHaVfPmEbU?si=5pxEDFHUQpe-_CHmA9MyBA

ドラムンベース

https://open.spotify.com/playlist/3krIJPhMfJXU8gyKVdqDTT?si=EXPfzbc6SkujtqdkrRlbRg

D&Bのサブジャンル

ドラムンベースのサブジャンルとしては、リキッドファンク(リキッドドラムンベース)、ジャンプアップ、ニューロファンク、ハーフタイム、ブレイクコア、アートコア、ハードステップ、ダークステップ、テックステップ、ジャズステップ、ブラジリアンステップ、アンビエントドラムンベース、ドラムファンク、ファンクステップ、ドリルンベース などなど、数えきれません。

また、ドラムンベースはサブジャンル以外にも「2step」や「トリップホップ」などの全く新しいジャンルを産み出し、音楽シーンの発展に大きく献上してきました。

ドラムンベースの名付け親?
LTJ BukemLTJ ブケム)

一説で「ドラムンベース」の名付け親はイギリス人の Daniel Williamson(ダニエル・ウィリアムソン)こと LTJ ブケム(1967年9月20日生まれ) だと言われていますが、海外の文献ではそのことについての記述は見かけられず、真実は分からないままです。

彼はインテリジェントジャングルシーンの立役者として知られ、ジャズフュージョンとアンビエント色が強調されたドラムンベースのサブジャンル「アートコア」のパイオニアとしても有名です。

幼少期からクラシック・ピアノを習い、10代の頃にはジャズやファンク、フュージョンを嗜み、ヒップホップ、デトロイトテクノなどのテクノサウンド影響を受け、Tim WestwoodやGilles PetersonなどのレアグルーヴDJに触発され、20代でDJとして活動を開始。レイブシーンで人気を集め、1991年にEP “Logical Progression” をリリースしました。

1992年にはレーベル<Good Looking Records>を設立。ハードコアなジャングルシーンに対するアンチテーゼとして、美学の詰まった知的なアートコアやリキッドファンクをリリースしますが、ダンスフロアに基づいた音楽ではなかったため、最初は無視されていたそうです。

自身のEP “Demon’s Theme” をリリース後、ジャンキーな層ではなくインテリ層から絶賛され、『Grooverider』『Peshay』『Blame』『Total Science』『Aquarius(Photekの変名)』などのプロデューサー達が有名になり、一躍名門レーベルへとのし上がりました。

ちなみに LTJ ブケム は養子だったそうで、実親は母がウガンダ人で父がエジプト人だそうです。

UKエイジアンらによるムーブメント
『エイジアン・マッシヴ』

ドラムンベースの歴史を語る上で欠かせないのがUKエイジアン達の存在です。

エイジアン・マッシヴ」と呼ばれたその現象は、ドラムンベースがムーブメントになって間も無く発生しました。

イギリスに住む南アジア系(インドを中心に、パキスタン、バングラデシュ、スリランカをルーツに持つ)のUKエイジアン達はドラムンベースを母国の民族音楽と掛け合わせたサウンドを世に輩出。「エイジアン・アンダーグラウンド」「ブリティッシュ・エイジアン・サウンド」「UKエイジアン・ミュージック」などと呼ばれるシーンを作り出し、世界を圧巻したのです。

Talvin Singh(タルヴィン・シン)はビョークのアルバム「Debut」に参加し、Nitin Sawhney(ニティン・ソーニー)はジェイムズ・テイラー・クァルテットのメンバーに、Asian Dub Foundation(エイジアン・ダブ・ファウンデーション)は日本でも人気を博し、フジロック・フェスティバルの常連となりました。

1999年
Nadia – Nitin Sawhney

1998年
Butterfly – Talvin Singh

1998年
Buzzin’ – Asian Dub Foundation

ムーブメントの終わり

1990年代初頭から大流行したドラムンベースも、1998年になると人気は失速します。新しい刺激に飢えたコアな音楽層らによって、ガラージハウス、ダブ、ドラムンベース、ジャングル、R&Bなどの音楽要素が組み合わされた「2step(ツーステップ)」が誕生し、ムーブメントはそちらに移行します。

その後も2stepから派生したグライムやダブステップなどの新たなベースミュージックが登場して徐々に人気は薄くなり、2000年代中期には信じられないほどシーンは現象しました。

近年のドラムンベース

近年では、EDM勢が好む「メロディックなドラムンベース」と、アンダーグラウンド勢が好む「ディープなドラムンベース」とで二極化していますが、どちらも他のジャンルに比べてあまり人気はないようですが、少ないながらも世界各国で根強い人気を得ているのも確かです。

今後のドラムンベース

昨今ではジャンルが融合されるスピードが飛躍的に上がり、多種多様な音楽ジャンルが誕生試続けており、ドラムンベースもその影響を大きく受けています。

なのでドラムンベースはEDM系のメロディックなシーンと、世界観を楽しむディープでコアなシーン、そして実験的なレフトフィールドシーンに棲み分けされて行くかと思います。

ドラムンベースの傑作アルバム&名トラック
(時系列順)

1993年
LTJ Bukem『Music』

1995年
Goldie『Timeless』

1997年
Roni Size & Reprazent『New Forms』

1997年
Adam F『Circles』

1998年
Peshay『Miles From Home』

1998年
4HERO『Two Pages』

2001年
John B『Future Reference』

2002年
DJ Marky & XRS Feat. Stamina MC『LK (Carolina Carol Bela)』

2018年
Noisia, Phace『Deep Down』

2019年
Hydro & War『Lateral Thinking』

2020年
Mitekiss『Tonic』

あわせて読みたい

【Drum & Bass】世界を揺るがした ドラムンベース の起源と歴史【徹底解説】 【EDMとは】EDMの起源と歴史【徹底解説】 【Dubstep】奥が深い ダブステップ の起源と歴史【徹底解説】 【Bass House】ベースハウスとは。起源と歴史を辿る【徹底解説】 【Trap Music】トラップとは。その起源と歴史【徹底解説】 【Minimal Techno】ミニマルテクノとは。その起源と歴史【徹底解説】 世界最古のジャンル、ドレミ。音楽の誕生、その起源と始まり【徹底解説】 【Future Bass】フューチャーベースとは。起源と歴史を辿る【徹底解説】

最新の人気ドラムンベースまとめ

ドラムンベース系(D&B、Liquid Funk、Jangle、Half Time)今週の新曲&過去の名曲まとめ