【Future Bass】フューチャーベースとは。起源と歴史を辿る【徹底解説】

フューチャーベースとは

フューチャーベースとは、エレクトロニカや2step、グライム、ゲームミュージックなどの様々な音楽要素が混ざって誕生した、ベースミュージックのジャンルです。発祥地や生みの親は不明で、ある音楽の文化圏で複数のアーティスト達によって作り上げられたとされています。

現在のフューチャーベースの作り方の “傾向” としてはBPM150で2stepのリズムが多く、「supersaw chords」と呼ばれるシンセサウンドを使っていたり、高速アルペジオを取り入れたり、ボーカルのピッチを極端に高くした音を楽器の様に使用していたりしますが、これといってフューチャーベースを定義する決まりや概念はありません

極端に言えば、自分や他人が「これはフューチャーベースだ」と認識すればそれはフューチャーベースと成りえる曖昧なジャンルです。

歴史や起源などについても、正しく証明され音楽史に認められたものはありません。これから説明するものは主に複数の海外メディアが報じている情報と、実際にリリースされたアーティストの楽曲を照らし合わせ、できる限り正確な情報を記載していますが、絶対ではないのでご注意ください。

フューチャーベースを聴いたことがない人は以下のプレイリストから試聴して、音の雰囲気を掴み取って頂ければと思います。

フューチャーベースの歴史・起源

歴史の流れを簡単に説明すると、2009年にフューチャーベースの様な音楽が出来始め、2012年にアンダーグラウンドでそのサウンドを作る手法が広まり、2014年以降にジャンルとして「フューチャーベース」が確立され、2016年にムーヴメントが到来。カワイイフューチャーベースやフューチャーハウスなどのサブジャンルが派生。マンネリ化で人気は落ち、今に至る。という感じです。

以下ではジャンルの発生から現在に至るまでをさらに細かく解説したものを記載しているので、興味のある方は是非一読ください。

2009年〜ジャンル発生の兆し
Hudson Mohawkeのトラック

フューチャーベースの源流を作ったとされている人物は『Rustie(ラスティー)』です。彼は2010年に世界初とも言えるフューチャーベースをリリースしています。

しかし、それ以前の2009年2月に『Hudson Mohawke(ハドソン・モホーク)』が、デビューEP “POLYFOLK DANCE” にて、フューチャーベースっぽい音楽をリリースしています。

彼らは同じレーベル<Warp>であることから、ラスティーがハドソン・モホークのEPから何かしらの影響を受けたかもしれませんね。

Hudson Mohawke – POLYFOLK DANCE

2010年〜ジャンルの源流ができる
RustieのデビューEP

ジャンルの発生元となったとされる人物『Rustie(ラスティー)』は、2010年にWarpからデビュー。リリースされたデビューEPに収録されている“Beast Nite”では元祖フューチャーベース・サウンドを聴くことができます。

フューチャーベース・サウンドが広まったのは、その1年後の2011年にリリースしたアルバム「Glass Swords」です。この頃はまだ「フューチャーベース」という言葉はありませんでしたが、このアルバムが発端となり、①supersaw chordsシンセ音、②ピッチを上げたボーカル、③ゲーム音、を混ぜ合わせたBPM150前後の音楽が一部界隈のアーティストに大きな影響を与え、フューチャーベースが形成されていったとされています。

Rustie - Beast Nite
Rustie – Ultra Thizz(アルバム「Glass Swords」収録)

2012年〜2014年、前身ジャンル「ネオン」の誕生(?)
火付け役となったアーティスト達

2012年には『Flume(フルーム)』がデビューしました。彼はジャンルの確立に深く献上したとされていますが、いつ誰がどうやって『フューチャーベース』と名付けたのかは定かではありません。

ただ、2013年〜2014年に一部のアーティストから「ネオン」というジャンル名を付けられています。2015年にはフューチャーベースという名前でジャンルが確立されていたので、2014年〜2015年までに名付けられたと推測できます。

フューチャーベースがメインストリームに広まったのは2015年ごろからです。ジャンルの確立されて間も無く急速に世界に広がり、2016年にムーヴメントになりました。

火付け役となったアーティストには Cashmere CatFlume などがあげられます。

Cashmere Cat
ノルウェー出身で2006年〜2009のDMCファイナリスト。2012年にPelican Flyからデビュー。


Flume
イングランド出身のデュオ。2013年にリリースした2stepトラック“You & Me”をFlumeがRemix。これがフューチャーベースの着火剤となり、各方面のアーティストへと飛び火していく。

2015年〜2016年 大流行・ムーヴメント
大ヒットしたアーティスト達

ここからは2015年から2016年のムーヴメント期にヒットを飛ばしたアーティストの音源を紹介していきます。

Louis the Child


M​​arshmello


Mura Masa


San Holo

2016年〜現在までの代表曲

次に、ムーヴメントが過ぎ去り、少し落ち着きだした2016年〜現在までの代表曲を紹介していきます。

The Chainsmokers – Don’t Let Me Down (Illenium Remix)


Illenium – It’s All on U (feat. Liam O’Donnell)


Marshmello – Alone

Boombox Cartel – Dancing With Fire (ft. Stalking Gia)

派生ジャンル
Kawaii Future Bassの起源

日本では独自のフューチャーベース文化も誕生しているので、ここからは日本が築きあげた『Kawaii Future Bass(カワイイフューチャーベース)』について解説していきます。

2010年前半にフューチャーベース特有の「キラキラした世界観」が日本のユーザーに刺さり、Soundcloudを舞台に独自の発展を遂げていきました。

「萌え」の要素を取り入れて、さらにキラキラに可愛く進化させたその音楽は、2014年9月2日に日本人トラックメイカー『Ujico』が「kawaii music」として提唱した事に始まります。

Ujicoは自身のトラック “Nyan Nyan Angel!” を公開する時に「Kawaii Trap / Kawaii Future Bass」とタグ付けしたことでその単語が広まり「Kawaii Future Bass」が誕生しました。(YouTubeではKawaii Trap、SoundcloudではKawaii Future Bassとタグ付けしている)

その後Kawaii Future Bassは、Trapやハードスタイル、ダブステップやEDMなど様々なジャンルを取り入れ進化を繰り返し、韓国を中心にフランス、アメリカ、イギリスなどの海外にまでKawaii Future Bassの波が広まったのです。

それでは日本を代表するKawaii Future Bassの楽曲を聴いていきましょう。

Ujico*/Snail’s House – Pixel Galaxy

Yunomi – ジェリーフィッシュ (feat. ローラーガール)

ゆーしえ (YUC’e) – Future Cαndy (short ver.)

KOTONOHOUSE – All Night Long Feat. EVO+

名前の由来

ちなみにフューチャーベースという名前の由来はいくつかの説があります。有力な説は、Flumeのデビューアルバムが「Future Classic」というレーベルからリリースされているので、「Future Classic」と「ベースミュージック」を合体させたというものです。

あとは2006年にリリースしたブリアルのデビューアルバム「Burial」のセルフタイトルが「Future Bass」なので、これがそのままジャンル名になったとしているという説もありますが、このアルバムはダークなダブステップ・サウンドなので信憑性は低いかと思います。

今も広がるフューチャーベースの波

フューチャーベースは2018年には完全にムーヴメントが過ぎ去り、現在ではかつてフューチャーベース・シーンを牽引したアーティストらの多くも別の新しいサウンドに挑戦しています。

ただTrapやダブステップなど、他のジャンルでフューチャーベースの要素が取り入れられたりと、小さいながらもその波は広がり続けている状態です。

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いかがでしたでしょうか。他にも学校では教えてくれない音楽ジャンルの歴史を解説しているので、良かったら読んでいただけると幸いです。

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